システム開発や運用では、「ロギングを実装する」「ロギングの設定を見直す」といった言葉が使われます。
「ログ」という言葉は聞いたことがあっても、「ロギングとは何が違うの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、「ロギング」について、以下の内容をわかりやすく説明します。
- ロギングの意味とログとの違い
- ロギングで記録する内容と役割
- ログの不足に関係するCWE-778
ロギングとは?

ロギングとは、システムやアプリケーションで起きた出来事や動作状況を、ログとして記録することです。
「logging(ロギング)」は、「log(ログ)」に「ing」を付けた形です。ログとロギングの違いを以下に示します。
| 用語 | 意味 | 具体例 |
| ログ | 記録された情報 | 「10時にログインが成功した」という記録 |
| ロギング | ログを記録する処理や行為 | ログインの日時や結果を記録すること |
つまり、記録されたものが「ログ」、記録することが「ロギング」です。
ロギングで記録する内容
記録する内容はシステムの目的によって異なりますが、代表的なものには次のような情報があります。
| 記録する情報 | 具体例 |
| 発生日時 | 処理が実行された日時 |
| 処理や操作の内容 | ログイン、商品購入、設定変更 |
| 処理の結果 | 成功、失敗 |
| 問題の内容 | データの保存に失敗した理由 |
| 調査に必要な識別情報 | ユーザーID、処理対象の注文ID |
例えば、ログインの結果を記録する場合、次のようなログが考えられます。これは説明用の例であり、ログの書式はシステムによって異なります。
2026-10-30 10:00:00 INFO ログイン成功 user_id=123
2026-10-30 10:05:00 WARN ログイン失敗 user_id=456このログからは、「いつ」「どのユーザーIDで」「ログインが成功したか、失敗したか」を読み取れます。
INFOやWARNは、ログの重要度や性質を示す「ログレベル」です。この例では、通常の動作情報にINFO、注意が必要な出来事にWARNを付けています。実際の使い分けは、利用する仕組みやシステムの方針によって異なります。
また、ログの出力先はファイルだけではありません。コンソール(端末など)への出力や、ログをまとめて管理するサービスへの送信などもあります。
ロギングは何の役に立つ?
ロギングは、システムの動作をあとから確認したり、問題の原因を調べたりするときに役立ちます。
不具合の原因を調べる
例えば、ユーザーから「購入ボタンを押したのに注文できなかった」と問い合わせがあったとします。
画面に「エラーが発生しました」と表示されるだけでは、原因を判断できません。しかし、ログに「注文情報の保存時にデータベースへの接続が失敗した」と記録されていれば、原因を絞り込む手がかりになります。
ユーザーが見ている画面だけではわからない、内部の処理状況を確認できることが、ロギングの大きな役割です。
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操作の履歴を確認する
「誰が設定を変更したのか」「いつデータが削除されたのか」といった確認にも、ログが役立ちます。
例えば、管理画面の設定変更を記録しておけば、問題が起きた際に、直前の変更内容を調べられます。
ただし、あとから確認したい情報が自動的にすべて残るわけではありません。必要な出来事や情報を記録するように、あらかじめ設計・設定しておく必要があります。
不審な動きに気づく手がかりになる
短時間にログインの失敗が繰り返されている場合、パスワードを何度も試す攻撃が行われている可能性があります。
ログインの失敗を記録しておけば、こうした動きを調べる手がかりになります。
なお、ログを記録することと、異常を検知して通知することは別です。 すばやく気づくには、ログを確認する運用や、自動で監視・通知する仕組みも必要です。
ログの不足に関係する「CWE-778」
CWEとは、ソフトウェアなどにある弱点の種類を分類したものです。
CWE-778(Insufficient Logging)は、セキュリティ上重要な出来事を記録していない、または記録に必要な詳細情報が不足している弱点を指します。 日本語では「不十分なロギング」などと表現されます。
例えば、ログインの失敗が記録されていなければ、不正なログインの試みを把握しにくくなります。また、記録があっても、発生日時などの重要な情報が欠けていると、攻撃後の調査が難しくなります。
ただし、何でも記録すればよいわけではありません。パスワードやアクセストークンなどの秘密情報はログに残さず、ユーザーIDなども調査に必要な範囲で記録することが大切です。
本記事のまとめ
この記事では「ロギング」について、以下の内容を説明しました。
- ロギングとは、システムで起きた出来事や動作状況をログとして記録すること。
- 「ログ」は記録された情報、「ロギング」は記録する処理や行為を指す。
- ログは、不具合の原因調査や操作履歴の確認、不審な動きの把握に役立つ。
- CWE-778は、セキュリティ上重要な出来事の記録や、その詳細情報が不足している弱点を指す。
お読みいただきありがとうございました。