プログラミングをしていると、「アプリをビルドする」「ビルドしたファイルを配布する」といった言葉を目にすることがあります。
しかし、「ビルドでは何が作られるの?」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、IT用語の「ビルド」について、以下の内容をわかりやすく説明します。
- ビルドの意味と具体例
- ビルドで行う主な処理
- ビルド・コンパイル・デプロイの違い
ビルドとは?

ビルドとは、ソースコードや必要なファイルをもとに、実行・配布に使うファイルを作る一連の作業です。
簡単にいうと、ビルドは「書いたプログラムを、使える形に仕上げる作業」と考えるとわかりやすくなります。
料理にたとえるなら、ソースコードや画像などのファイルが「材料」、ビルドが「調理」、できあがったファイルが「料理」にあたります。材料を用意するだけでは料理が完成しないように、開発ではコードや必要なファイルを変換・整理する工程が必要になることがあります。
例えば、Windowsで動く電卓アプリをC++で作る場合を考えてみましょう。
開発者は、足し算や引き算などの処理をソースコードに書きます。そのコードを変換し、必要な部品と結び付けて、実行できるファイルを作ります。この一連の作業がビルドです。
この例の流れは、「ソースコード → ビルド → 実行ファイル(.exe)」となります。
ただし、ビルドの結果が必ず.exeになるわけではありません。作るものによって、アプリの配布用ファイルや、Webサイトを公開するためのHTML・JavaScript・CSSなどが生成されます。
ビルドに含まれる処理
ビルドに含まれる処理は、プログラミング言語や開発ツール、プロジェクトの設定によって異なります。代表的な処理には、次のようなものがあります。
| 処理 | 何をするか |
| コンパイル | ソースコードを、別の形式のコードへ変換する |
| リンク | 変換したコードや必要な部品を結び付ける |
| ファイルの整理・最適化 | 必要なファイルをコピーしたり、コードのサイズを小さくしたりする |
| パッケージ化 | 配布しやすい形式にファイルをまとめる |
例えば、C++のアプリでは、まずソースコードをコンパイルします。
その後、コンパイルで作られたファイルや、必要な機能をまとめたライブラリを結び付けます。この処理が「リンク」です。リンクによって、アプリの実行ファイルが作られます。
また、アプリで使う画像や設定ファイルなどを、出力先のフォルダへコピーして整理することもあります。Webサイトの開発では、JavaScriptやCSSをまとめたり、不要な空白などを取り除いてサイズを小さくしたりします。このような処理が「ファイルの整理・最適化」です。TypeScriptを使う場合は、JavaScriptへの変換も行います。
さらに、作成したファイルをZIPファイルやインストーラーなど、配布しやすい形式にまとめることがあります。この処理が「パッケージ化」です。例えば、アプリの実行ファイルと必要な画像・設定ファイルを、ひとまとめにして配布できるようにします。
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ビルド・コンパイル・デプロイの違い
ビルド・コンパイル・デプロイは、開発の中でそれぞれ異なる作業を指します。まずは、次の表で役割を整理してみましょう。
| 用語 | 意味 |
| ビルド | ソースコードや必要なファイルから、実行・配布に使う成果物を作る一連の作業 |
| コンパイル | ソースコードを別の形式のコードへ変換する作業 |
| デプロイ | アプリやWebサイトを動かす環境へ配置・反映する作業 |
コンパイルはコードを変換する作業で、ビルドの工程に含まれることがあります。例えば、C++の電卓アプリでは、ソースコードをコンパイルし、その結果を必要な部品と結び付けて実行ファイルを作ります。この一連の作業がビルドです。コンパイルの変換先は、常にコンピューターが直接実行する機械語とは限りません。TypeScriptからJavaScriptへの変換なども、コンパイルと呼ばれます。
デプロイは、作った成果物を使う環境へ配置・反映する作業です。例えば、Webサイトの公開用ファイルを作るのがビルド、そのファイルを公開先のサーバーなどへ配置するのがデプロイです。
手元のパソコンでファイルを作るだけでは、公開中のWebサイトには変更が反映されません。公開先へ配置・反映する工程が必要です。
本記事のまとめ
この記事では「ビルド」について、以下の内容を説明しました。
- ビルドとは、ソースコードや必要なファイルから、実行・配布に使う成果物を作る一連の作業である
- ビルドに含まれる処理や、作られるファイルは、言語・ツール・設定によって異なる
- コンパイルはコードを変換する作業で、ビルドの工程に含まれることがある
- デプロイは、作った成果物を使う環境へ配置・反映する作業である
お読みいただきありがとうございました。