vCPU(仮想CPU)とは?CPUとの違いなどをわかりやすく解説!

クラウドサービスや仮想化技術でよく耳にする『vCPU(仮想CPU)』という言葉。

この記事では『vCPU(仮想CPU)』について、以下の内容を分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

  • vCPU(仮想CPU)とは
  • 「pCPU(物理CPU)」と「vCPU(仮想CPU)」の違い
  • vCPU(仮想CPU)の仕組み
  • vCPU(仮想CPU)のメリット・デメリット
  • vCPU(仮想CPU)の用途

vCPU(仮想CPU)とは

「vCPU」とは Virtual CPU(仮想CPU)の略で、pCPU(物理CPU)のリソースを仮想化技術によって分割・共有して構成された仮想的なCPUです。仮想マシン(VM:Virtual Machine)ではvCPUが物理CPUのように振る舞います。

vCPUの特徴を以下に示します。

vCPUの特徴

  • 仮想マシン(VM)専用
    • 仮想マシン(VM)では、物理CPUを直接利用するのではなく、仮想化技術によって作られたvCPUを使用します。これにより、物理CPUを複数の仮想マシン間で効率的に分割・共有可能になります。
    • 仮想マシンは1つ以上のvCPUを持つことができ、必要に応じて構成を変更できます。
    • 複数のvCPUを持つ仮想マシンでは、並列処理も可能です。
  • 見かけは普通のCPU
    • 仮想マシン上で動作するOSやアプリケーションから見ると、vCPUは物理CPUとまったく同じように見えます。
  • 動的割り当て
    • 仮想化ソフトウェア(ハイパーバイザー)によって、物理CPUのリソースが動的に分割され、仮想マシンが必要とする分だけvCPUが割り当てられます。

pCPUは、「Physical CPU(物理CPU)」の略称です。実際に物理的な形で存在するコンピュータの中央処理装置(CPU)を指します。

「pCPU(物理CPU)」と「vCPU(仮想CPU)」の違い

「pCPU(物理CPU)」と「vCPU(仮想CPU)」の違いを以下に表でまとめます。

特徴pCPU(物理CPU)vCPU(仮想CPU)
形態実際のハードウェア仮想化技術で作られる論理的なCPU
構成コア(Core)やスレッド(Thread)で構成仮想マシンごとに動的に生成される
利用環境PCやサーバーで直接利用仮想化された仮想マシンで利用
処理能力ハードウェア性能に依存物理CPUの計算能力を共有または分割
動的性固定されたハードウェア資源必要に応じて動的に割り当て可能

vCPU(仮想CPU)の仕組み

仮想化環境では、VMware、KVM、Hyper-Vなどのハイパーバイザー(仮想化ソフトウェア)が、物理CPUのリソースを管理・分割し、仮想マシンにvCPUとして提供します。

例えば、1つの物理CPUコアを2つのvCPUに分割することで、1つの物理CPUコアを2台の仮想マシンが「共有」して使用する形になります。

vCPU(仮想CPU)のメリット・デメリット

vCPU(仮想CPU)のメリットデメリットについて説明します。

メリット

  • 柔軟なリソース管理
    • 仮想化技術を用いることで、必要に応じてvCPUを動的に増減可能です。これにより、業務の負荷や用途に応じてリソースを柔軟に割り当てられます。
  • 効率的な資源利用
    • 1台の物理サーバーに複数の仮想マシンを配置することで、コスト削減が期待できます。
  • 並列処理が可能
    • 仮想マシンが複数のvCPUを持つ場合、並列処理を効率的に行えます。

デメリット

  • パフォーマンスの低下
    • vCPUは物理CPUのリソースを共有するため、負荷が高い場合には処理速度が低下することがあります。
  • 仮想化オーバーヘッド
    • 仮想化レイヤーの処理が加わるため、物理CPUに直接アクセスする場合に比べて効率が落ちることがあります。
  • リソースの競合
    • vCPUの数が物理コアの数を大幅に上回ると、仮想マシン間でリソースの競合が発生しやすくなります。

vCPU(仮想CPU)の用途

vCPU(仮想CPU)の用途について説明します。

  • 仮想マシン(VM)
    • VMwareやVirtualBoxなどの仮想マシン環境で利用され、柔軟なリソース割り当てが可能です。
  • クラウドコンピューティング
    • AWSやGoogle Cloud, Microsoft Azureなどのクラウドサービスでは、vCPU単位でリソースが提供され、料金もvCPUの数に基づいて決まることが一般的です。
  • テスト・開発環境
    • 開発者がアプリケーションをテストするために、仮想マシンを使ってスケーラブルな環境を構築する際に活用されます。

本記事のまとめ

この記事では『vCPU(仮想CPU)』について、以下の内容を説明しました。

  • vCPU(仮想CPU)とは
  • 「pCPU(物理CPU)」と「vCPU(仮想CPU)」の違い
  • vCPU(仮想CPU)の仕組み
  • vCPU(仮想CPU)のメリット・デメリット
  • vCPU(仮想CPU)の用途

お読み頂きありがとうございました。