Pythonを使っていると、ライブラリをインストールするときに「pip」というコマンドをよく使います。
ただ、初めてpipを使う場合、
- pipとは何?
- ライブラリをインストールするコマンドは?
- インストール済みのライブラリを確認するには?
- ライブラリを更新・削除するには?
- ライブラリの依存関係を確認するには?
など、使い方が分からないこともあると思います。
この記事では、pipでよく使う基本コマンドを一覧で紹介し、それぞれの使い方を初心者向けにわかりやすく解説します。
pipとは?
pipとは、Pythonのライブラリ(パッケージ)をインストール・管理するためのツールです。
Pythonでは、さまざまな外部ライブラリが公開されています。
pipを使うことで、それらのライブラリを簡単にインストールできます。例えば、requestsをインストールする場合は、次のコマンドを実行します。
pip install requestspipでは、ライブラリのインストールだけではなく、
- インストール済みライブラリの確認
- ライブラリのアップデート
- ライブラリのアンインストール
- ライブラリの詳細確認
- 使用しているライブラリの保存
なども行えます。
pipコマンドについて
なお、環境によってはpipではなく、pip3を使用する場合があります。これは、パソコンにPython 2とPython 3の両方がインストールされている環境などで、Python 3用のpipであることを明確にするためです。なお、Python 2は2020年1月1日にサポートが終了しているため、現在は基本的にPython 3が使用されています。
例えば、macOSやLinuxでは、次のようにpip3コマンドを使用することがあります。
pip3 install requests基本的な使い方はpipと同じです。
例えば、
pip install requestsと
pip3 install requestsは、どちらもrequestsというライブラリをインストールするためのコマンドです。
ただし、pipとpip3がどのPythonに紐づいているかは、環境によって異なります。そのため、環境によってはpipとpip3で、ライブラリのインストール先が異なる場合もあります。一方で、pipとpip3が同じPython 3に紐づいている場合は、基本的に同じ場所へライブラリがインストールされます。
この記事では分かりやすくするため、基本的にpipコマンドを使って説明します。pipコマンドが使えない場合は、使用している環境に合わせてpip3に置き換えて実行してください。
pipのバージョンを確認する
pipのバージョンを確認するには、次のコマンドを実行します。
pip --version
# 短縮形
pip -Vコマンドを実行すると、次のようにpipのバージョンなどが表示されます。
pip 24.0 from /usr/lib/python3/dist-packages/pip (python 3.12)ライブラリをインストールする
ライブラリをインストールするには、pip installコマンドを使用します。
pip install ライブラリ名
# 例:requestsをインストールする場合
pip install requests指定したライブラリだけでなく、そのライブラリを動かすために必要な別のライブラリ(依存ライブラリ)も自動的にインストールされます。
バージョンを指定してインストールする
特定のバージョンを指定してインストールすることもできます。
pip install ライブラリ名==バージョン
# 例:requestsのバージョン2.31.0をインストールする場合
pip install requests==2.31.0すでに新しいバージョンがインストールされている場合でも、古いバージョンを指定すればダウングレードできます。
インストール可能なバージョンを確認する
ライブラリにどのバージョンが存在するのか確認したい場合は、次のコマンドを使用できます。
pip index versions ライブラリ名
# 例:requestsのバージョンを確認する場合
pip index versions requestsコマンドを実行すると、以下に示すように、利用可能なバージョンの一覧に加えて、現在インストールされているバージョン(INSTALLED)や最新バージョン(LATEST)などが表示されます。
requests (2.34.2)
Available versions: 2.34.2, 2.34.1, 2.34.0, 2.33.1, ...
INSTALLED: 2.31.0
LATEST: 2.34.2古いバージョンのpipでは、このコマンドを実行すると、pip indexがexperimental(実験的機能)という警告が表示される場合があります。
ライブラリをアップデートする
インストール済みのライブラリを新しいバージョンにアップデートするには、--upgradeを使用します。
pip install --upgrade ライブラリ名
# 省略形
pip install -U ライブラリ名
# 例:requestsをアップデートする場合
pip install --upgrade requests
# 省略形
pip install -U requestsライブラリをアンインストールする
不要になったライブラリを削除するには、pip uninstallコマンドを使用します。
pip uninstall ライブラリ名
# 例:requestsをアンインストールする場合
pip uninstall requests上記のコマンドを実行すると、
Proceed (Y/n)?のように削除してよいか確認されます。yを入力するとアンインストールされます。
確認せずにアンインストールしたい場合は、--yes(-y)を指定します。
pip uninstall --yes requests
# 省略形
pip uninstall -y requestsインストール済みのライブラリを確認する
現在インストールされているライブラリを一覧で確認するには、次のコマンドを使用します。
pip listコマンドを実行すると、次のように表示されます。
Package Version
------------------ ---------
certifi 2026.7.22
charset-normalizer 3.5.1
idna 3.19
pip 24.0
requests 2.31.0
urllib3 2.7.0なお、pip listには自分でインストールしたライブラリだけではなく、OSやPython環境によって最初からインストールされているライブラリも表示されます。そのため、pipをインストールした直後でも、多くのライブラリが表示されることがあります。
アップデートできるライブラリを確認する
現在インストールされているライブラリのうち、新しいバージョンが公開されているものを確認するには、次のコマンドを使用します。
pip list --outdatedコマンドを実行すると、次のように表示され、現在のバージョンと最新バージョンを確認できます。
Package Version Latest Type
-------- ------- ------ -----
pip 24.0 26.2.1 wheel
requests 2.31.0 2.34.2 wheelライブラリの詳細を確認する
特定のライブラリについて詳しく確認したい場合は、pip showを使用します。
pip show ライブラリ名
# 例:requestsの詳細を確認する場合
pip show requestsコマンドを実行すると、次のような情報を確認できます。
Name: requests
Version: 2.31.0
Summary: Python HTTP for Humans.
Home-page: https://requests.readthedocs.io
Author: Kenneth Reitz
Author-email: me@kennethreitz.org
License: Apache 2.0
Location: /home/user01/work/.venv/lib/python3.12/site-packages
Requires: certifi, charset-normalizer, idna, urllib3
Required-by:Requiresには、そのライブラリが依存しているライブラリが表示されます。つまり、requestsを動かすために必要なライブラリを確認できます。
ライブラリの依存関係に問題がないか確認する
インストールされているライブラリの依存関係に問題がないか確認するには、pip checkコマンドを使用します。
pip check依存関係に問題がなければ、次のように表示されます。
No broken requirements found.一方で、必要なライブラリがインストールされていなかったり、必要なバージョンと一致していなかったりすると、問題の内容が表示されます。例えば、requestsが依存しているidnaがインストールされていない場合は、次のように表示されます。
requests 2.31.0 requires idna, which is not installed.このように、pip checkを使うことで、現在のPython環境でライブラリの依存関係に問題がないかを簡単に確認できます。
インストール済みのライブラリをrequirements.txtに保存する
現在のPython環境にインストールされているパッケージを、requirements形式で出力するには、pip freezeを使用します。
pip freezeコマンドを実行すると、次のように表示されます。
certifi==2026.7.22
charset-normalizer==3.5.1
idna==3.19
requests==2.31.0
urllib3==2.7.0さらに、リダイレクトを使ってファイルに保存できます。
pip freeze > requirements.txtファイル名は自由に変更できますが、Pythonではrequirements.txtという名前がよく使われます。
作成したrequirements.txtを確認すると、以下に示すようにライブラリ名とバージョンが保存されています。
certifi==2026.7.22
charset-normalizer==3.5.1
idna==3.19
requests==2.31.0
urllib3==2.7.0requirements.txtからライブラリをインストールする
requirements.txtに保存されているライブラリをまとめてインストールするには、次のコマンドを使用します。
pip install --requirement requirements.txt
# 短縮形
pip install -r requirements.txtチーム開発などで、同じライブラリやバージョンを使ったPython環境を作りたい場合にも便利です。
ライブラリの依存関係をツリー形式で確認する
pip showでも指定したライブラリが依存しているライブラリを確認できますが、複数のライブラリの依存関係をツリー形式で確認したい場合は、pipdeptreeというツールが便利です。
pipdeptreeを使うと、ライブラリの依存関係をツリー形式で確認できます。
なお、pipdeptreeはpipの標準機能ではないため、最初にインストールする必要があります。
pip install pipdeptreeすべての依存関係を確認する
次のコマンドを実行します。
pipdeptreeコマンドを実行すると、パッケージの依存関係を確認することができます。
pip==24.0
pipdeptree==4.2.1
┣━━ ✓ nab-index required: >=0.0.11 installed: 0.0.13
┃ ┣━━ ✓ packaging required: >=24.0 installed: 26.3
┃ ┣━━ ✓ truststore required: >=0.10 installed: 0.10.4
┃ ┣━━ ✓ typing_extensions required: >=4.6 installed: 4.16.0
┃ ┗━━ ✓ urllib3 required: >=2.0 installed: 2.7.0
┗━━ ✓ nab-python required: >=0.0.11 installed: 0.0.13
┣━━ ✓ build required: >=1.2 installed: 1.5.0
┃ ┣━━ ✓ packaging required: >=24.0 installed: 26.3
┃ ┗━━ ✓ pyproject_hooks required: Any installed: 1.2.0
┣━━ ✓ installer required: >=1.0 installed: 1.0.1
┣━━ ✓ nab-index required: ==0.0.13 installed: 0.0.13
┃ ┣━━ ✓ packaging required: >=24.0 installed: 26.3
┃ ┣━━ ✓ truststore required: >=0.10 installed: 0.10.4
┃ ┣━━ ✓ typing_extensions required: >=4.6 installed: 4.16.0
┃ ┗━━ ✓ urllib3 required: >=2.0 installed: 2.7.0
┣━━ ✓ nab-resolver required: ==0.0.13 installed: 0.0.13
┣━━ ✓ pyproject_hooks required: >=1.2 installed: 1.2.0
┣━━ ✓ tomli required: >=2.0 installed: 2.4.1
┣━━ ✓ tomli_w required: >=1.2 installed: 1.2.0
┗━━ ✓ typing_extensions required: >=4.6 installed: 4.16.0
requests==2.31.0
┣━━ ✓ certifi required: >=2017.4.17 installed: 2026.7.22
┣━━ ✓ charset-normalizer required: >=2,<4 installed: 3.5.1
┣━━ ✓ idna required: >=2.5,<4 installed: 3.19
┗━━ ✓ urllib3 required: >=1.21.1,<3 installed: 2.7.0
(resolved python: /home/user01/work/.venv/bin/python)特定のライブラリの依存関係を確認する
特定のライブラリだけ確認する場合は、-pを使用します。
pipdeptree -p ライブラリ名
# 例:requestsの依存関係を確認する場合
pipdeptree -p requestspip自体をアップデートする
pipそのものをアップデートする場合は、次のコマンドを使用します。
pip install --upgrade pippipの基本コマンド一覧
ここまで紹介したpip関連のコマンドをまとめると、次のようになります。
| コマンド | 内容 |
|---|---|
pip --version | pipのバージョンを確認する |
pip -V | pipのバージョンを確認する(短縮形) |
pip install ライブラリ名 | ライブラリをインストールする |
pip install ライブラリ名==バージョン | バージョンを指定してライブラリをインストールする |
pip index versions ライブラリ名 | インストール可能なバージョンを確認する |
pip install --upgrade ライブラリ名 | ライブラリをアップデートする |
pip install -U ライブラリ名 | ライブラリをアップデートする(短縮形) |
pip uninstall ライブラリ名 | ライブラリをアンインストールする |
pip uninstall --yes ライブラリ名 | 確認なしでライブラリをアンインストールする |
pip uninstall -y ライブラリ名 | 確認なしでライブラリをアンインストールする(短縮形) |
pip list | インストール済みのライブラリを一覧表示する |
pip list --outdated | アップデート可能なライブラリを確認する |
pip show ライブラリ名 | ライブラリの詳細情報を確認する |
pip check | インストール済みライブラリの依存関係に問題がないか確認する |
pip freeze | インストール済みライブラリとバージョンを出力する |
pip freeze > requirements.txt | インストール済みライブラリをrequirements.txtに保存する |
pip install --requirement requirements.txt | requirements.txtからライブラリをまとめてインストールする |
pip install -r requirements.txt | requirements.txtからライブラリをまとめてインストールする(短縮形) |
pip install pipdeptree | pipdeptreeをインストールする |
pipdeptree | ライブラリの依存関係をツリー形式で表示する(pipdeptreeはpipの標準機能ではないためインストールする必要あり) |
pipdeptree -p ライブラリ名 | 指定したライブラリの依存関係を表示する |
pip install --upgrade pip | pip自体をアップデートする |
まとめ
この記事では「pipの基本コマンド」について、以下の内容を説明しました。
- pipとは
- ライブラリをインストールする方法
- バージョンを指定してインストールする方法
- インストール可能なバージョンを確認する方法
- ライブラリをアップデートする方法
- ライブラリをアンインストールする方法
- インストール済みライブラリを確認する方法
requirements.txtでライブラリを管理する方法pipdeptreeで依存関係を確認する方法
pipは、Pythonで外部ライブラリを利用するときに欠かせないツールです。
まずはinstall、list、show、uninstallなどの基本的なコマンドから覚えておくとよいでしょう。
お読みいただきありがとうございました。