OSSライセンスの種類(コピーレフト、準コピーレフト、非コピーレフトの違い)

この記事では『OSSライセンス』について、

  • OSSライセンスの種類
    • コピーレフト型ライセンスの特徴
    • 準コピーレフト型ライセンスの特徴
    • ⾮コピーレフト型ライセンスの特徴

などを分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

OSSライセンスの種類

OSSライセンスには、様々なものがありますが、以下の基準によって、コピーレフト型準コピーレフト型⾮コピーレフト型という3つに大きく分類することができます。

  • 改変部分のソースコードの開示義務
    • OSS利⽤者がOSSのソースコードを改変した場合に、改変部分のソースコードの開⽰を義務づけるかどうか。
    • コピーレフト型準コピーレフト型は開示義務がある。
  • 他のソフトウェアのソースコードの開⽰義務
    • OSS利⽤者がOSSのソースコードを他のソフトウェアと組み合わせた場合に、他のソフトウェアのソースコードの開⽰を義務づけるかどうか。
    • コピーレフト型は開示義務がある。

OSSライセンスの分類を表でまとめると以下のようになります。

OSSライセンスの
種類
複製
改変
再頒布
改変部分の
ソースコードの
開示
他のソフトウェアの
ソースコードの
開⽰
ライセンス
明記
代表的な
OSS
ライセンス
コピーレフト型可能必要必要必要・GPL
・AGPL
準コピーレフト型可能必要不要必要・LGPL
・MPL
非コピーレフト型可能不要不要必要・BSD
・MIT
・Apache
・ISC

ではこれから、上記の3つの種類について説明します。

コピーレフト型ライセンス

コピーレフト型ライセンスのOSSを用いて派生ソフトウェアを作成した場合、派生ソフトウェアも同じライセンスで公開する必要があります。例えば、GPLライセンスのOSSのソースを1行でも派生ソフトウェアに用いた場合、派生ソフトウェアもGPLライセンスとして公開する必要があります。

コピーレフト型ライセンスの特徴を以下に示します。

コピーレフト型ライセンスの特徴

  • ライセンステキストの添付が必要
    • コピーレフト型ライセンスを持つOSSを元に作成した派生ソフトウェアは、OSSライセンスの全文をソフトウェアとともに提供する必要があります。
  • 改変したソースコードの開示が必要
    • コピーレフト型ライセンスのOSSを改変した場合、その改変部分(コードのコピー&ペーストを含む)のソースコードを公開する必要があります。
  • 組み合わせて利用した場合のソースコードの開示が必要
    • コピーレフト型ライセンスのOSSを他のソフトウェアと組み合わせて利用した場合、組み合わせた全ての部分のソースコードを公開する必要があります。

代表的なコピーレフト型ライセンスを以下に示します。

代表的なコピーレフト型ライセンス

  • GPL(GNU General Public License)
  • AGPL(GNU Affero General Public License)

補足

GPL系のライセンスは、自身のライセンスよりも強い制限があるライセンスの禁止が定義されています。そのため、GPLライセンス以上の制限を課しているOSSはGPL系のライセンスと両立できません。GPL互換のリストは以下のリンクを参照すると分かりやすいです。

https://www.gnu.org/licenses/license-list.html.en

準コピーレフト型ライセンス

準コピーレフト型ライセンスのOSSは、改変したOSSの部分のみを同じライセンスで公開することを要求し、全体のソフトウェアをそのライセンスで公開する必要はありません。

準コピーレフト型ライセンスの特徴を以下に示します。

準コピーレフト型ライセンスの特徴

  • ライセンステキストの添付が必要
    • コピーレフト型ライセンスと同じ。
    • 準コピーレフト型ライセンスを持つOSSを元に作成した派生ソフトウェアは、OSSライセンスの全文をソフトウェアとともに提供する必要があります。
  • 改変したソースコードの開示が必要
    • コピーレフト型ライセンスと同じ。
    • 準コピーレフト型ライセンスのOSSを改変した場合、その改変部分(コードのコピー&ペーストを含む)のソースコードを公開する必要があります。

代表的な準コピーレフト型ライセンスを以下に示します。

代表的な準コピーレフト型ライセンス

  • LGPL(GNU Lesser General Public License)
  • MPL(Mozilla Public License)

非コピーレフト型ライセンス

非コピーレフト型ライセンスは、改変部分(コードのコピー&ペーストを含む)のソースコードや派生ソフトウェアのソースコードの公開義務がありませんが、ライセンス全文の提供は必要です。

非コピーレフト型ライセンスの特徴を以下に示します。

非コピーレフト型ライセンスの特徴

  • ライセンステキストの添付が必要
    • コピーレフト型ライセンス準コピーレフト型ライセンスと同じ。
    • 非コピーレフト型ライセンスを持つOSSを元に作成した派生ソフトウェアは、OSSライセンスの全文をソフトウェアとともに提供する必要があります。

代表的な非コピーレフト型ライセンスを以下に示します。

代表的な非コピーレフト型ライセンス

  • Apache
  • MIT(Massachusetts Institute of Technology License)
  • BSD(Berkeley Software Distribution License)
  • ISC

本記事のまとめ

この記事では『OSSライセンス』について、以下の内容を説明しました。

  • OSSライセンスの種類
    • コピーレフト型ライセンスの特徴
    • 準コピーレフト型ライセンスの特徴
    • ⾮コピーレフト型ライセンスの特徴

お読み頂きありがとうございました。