ソフトウェアについて調べていると、次のような言葉をよく見かけます。
- OSS
- フリーウェア
- フリーソフトウェア
どれも「無料で使えるソフト」という印象がありますが、実は意味が異なります。
特に注意したいのが、「無料で使えること」と「自由に改変・再配布できること」は別という点です。
簡単にまとめると、次のようになります。
| 項目 | フリーウェア | OSS | フリーソフトウェア |
| 無料で入手できる? | 〇基本的に無料 | △無料が多い | △無料が多い |
| ソースコードを 見られる? | ×通常は非公開 | 〇見れる | 〇見れる |
| 改変できる? | ×基本的にできない | 〇できる | 〇できる |
| 再配布できる? | ×基本的にできない | 〇できる | 〇できる |
フリーウェアとは
フリーウェアとは、一般的に無料で利用できるソフトウェアのことです。
ここでいう「フリー」は、主に価格が無料という意味です。ただし、無料で使えるからといって、ソースコードを確認したり、自分で改造したりできるとは限りません。
多くのフリーウェアでは、次のような制限があります。
- ソースコードは通常非公開
- 改変や再配布が禁止または制限されている
- 個人利用や社内利用は無料でも、商用利用は有料になる場合がある
つまり、フリーウェアは、イメージとしては次のようなソフトです。
無料で使わせてもらえるが、ソフトの中身や利用条件は開発者が管理しているソフト
OSSとは
OSSは、Open Source Software(オープンソースソフトウェア)の略です。
ソースコードが公開されているだけでなく、決められたライセンスの範囲内で、次のようなことが認められています。
- ソフトウェアを利用する
- ソースコードを調べる
- ソースコードを変更する
- 元のソフトや変更したソフトを再配布する
ただし、「ソースコードがインターネットで見られるだけ」では、必ずしもOSSとはいえません。Open Source Initiativeの定義では、OSSのライセンスには、自由な再配布、ソースコードの提供、派生物の作成などを認める条件が求められています。そのため、次のようなソフトはOSSではありません。
- ソースコードは公開されているが、改変は禁止されている
- ソースコードは閲覧できるが、商用利用は禁止されている
単にソースコードが見えることと、OSSであることは同じではないのです。
また、OSSは必ずしも無料とは限りません。OSS自体を有料で販売したり、導入支援や保守サービスを有料で提供したりすることも可能です。
また、OSSは、適用されているライセンスの条件を守って利用することが重要です。例えば、MITライセンスでは、商用利用、製品への組み込み、改変、再配布、販売などが認められています。その代わり、MITライセンスのソフトウェアまたはその重要な部分を含む製品を配布する場合は、元の著作権表示とMITライセンスの全文を製品内のライセンス一覧や同梱ファイルなどに掲載する必要があります。
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OSSとは?利用するメリットやデメリットを解説!
フリーソフトウェアとは
フリーソフトウェアとは、利用者にソフトウェアを扱うための自由が与えられているソフトウェアです。
この「フリー」は「無料のfree」ではなく「自由のfree」です。
Free Software Foundationでは、フリーソフトウェアに必要な自由として、次の4つを挙げています。
- どのような目的でもプログラムを実行できる自由
- プログラムの仕組みを調べ、変更できる自由
- プログラムのコピーを再配布できる自由
- 変更したプログラムを再配布できる自由
プログラムを調べたり変更したりするには、ソースコードへのアクセスが必要になります。OSSと同じくフリーソフトウェアも、必ずしも無料ではありません。有料で販売することや、商用目的で使用することも認められています。
「OSS」と「フリーソフトウェア」は何が違うのか
OSSとフリーソフトウェアは、実際にはほぼ同じ範囲のソフトウェアを指します。どちらも、ライセンスの条件を守ることで、一般的に次のことが認められています。
- 商用目的で利用する
- ソースコードを確認できる
- ソースコードを改変する
- 元のソフトウェアや改変したソフトウェアを再配布する
では、OSSとフリーソフトウェアは何が違うのでしょうか。
主な違いは、ソフトウェアそのものではなく、どのような考え方を重視しているかです。
OSSでは、ソースコードを公開し、多くの人が開発に参加できることによる実用的なメリットが重視されます。例えば、次のようなメリットが期待できます。
- 多くの開発者が改善に参加できる
- 不具合を発見しやすくなる
- 既存の技術を再利用できる
- 特定の企業への依存を減らしやすい
- 開発を効率化しやすい
つまりOSSは、ソースコードを公開することで、より良いソフトウェアを効率的に開発できるという考え方を重視しています。
一方、フリーソフトウェアでは、利用者がソフトウェアを自由に扱えることが重視されます。具体的には、利用者がソフトウェアを実行し、仕組みを調べ、改変し、ほかの人に再配布できる自由を大切にしています。つまりフリーソフトウェアは、単なる開発方法ではなく、利用者の権利や自由を守ることに重点を置いた考え方です。
つまり、両者の違いを簡単にまとめると、以下のようになります。
- OSS:共同開発や技術活用などの実用的なメリットを重視する
- フリーソフトウェア:利用者がソフトウェアを自由に扱える権利を重視する
そのため、技術や開発方法を説明するときには「OSS」、利用者の自由や権利を説明するときには「フリーソフトウェア」という言葉が使われる傾向があります。ただし、この使い分けは絶対的なものではありません。
「フリーソフト」と「フリーソフトウェア」は同じではない
日本では、「無料で使えるソフト」を「フリーソフト」と呼ぶことがよくあります。この場合のフリーソフトは、通常「フリーウェア」と同じ意味です。
一方、英語の「Free Software」は、無料のソフトではなく、利用者に改変や再配布などの自由が与えられたフリーソフトウェアを意味します。
したがって、次の2つは分けて考えたほうがよいです。
- 日本で一般的に使われる「フリーソフト」:無料のソフト(フリーウェア)
- Free Softwareを訳した「フリーソフトウェア」:自由に利用・改変・再配布できるソフト
まとめ
OSS、フリーウェア、フリーソフトウェアの違いをまとめると、次のようになります。
- フリーウェアは、基本的に無料で利用できるソフトウェア
- OSSは、ライセンスの条件に従って利用・確認・改変・再配布できるソフトウェア
- フリーソフトウェアは、利用者がソフトウェアを自由に利用・研究・改変・再配布できることを重視したソフトウェア
- OSSとフリーソフトウェアが対象とするソフトウェアの範囲はほぼ同じ
- OSSは実用的なメリット、フリーソフトウェアは利用者の自由や権利を重視する傾向がある
- 日本で使われる「フリーソフト」は、「フリーウェア」と同じ意味で使われることが多い
お読みいただきありがとうございました。