ミドルウェアとは?「役割」や「具体例」などをわかりやすく解説!

ITの世界ではよく「ミドルウェア(Middleware)」という言葉が出てきます。

この記事では『ミドルウェア』について、以下の内容を図を用いてわかりやすく解説します。

  • ミドルウェアとは?
  • コンピュータの構成におけるミドルウェアの位置
  • ミドルウェアの具体例と役割

ミドルウェアとは?

ミドルウェア(Middleware)とは、名前の通り「ミドル(中間)」に位置するソフトウェアのことです。具体的には、「OS(オペレーティングシステム)」と「アプリケーション」の中間で動くソフトウェアを指します。そのため、ミドルウェアは「中間ソフトウェア」と呼ばれることもあります。

ミドルウェアは、OSの機能を拡張したり、アプリケーションがスムーズに動作するための共通機能を提供します。たとえば、次のような役割を担っています。

  • データベースとのやり取り(例:DBMS:MySQL、PostgreSQLなど)
  • 通信の制御(例:Webサーバー:Apache、Nginxなど)
  • アプリの動作環境の提供(例:アプリケーションサーバー:Tomcat、WildFlyなど)

上記のような、多くのアプリケーションで共通して利用される機能をアプリ開発者が個別で開発するのは大変です。そこでミドルウェアが、OSとアプリケーションの間で「仲介役(サポート役)」として共通機能を提供しています。

「アプリケーション」の正式名称は「アプリケーションソフトウェア」です。長いので「アプリケーション」や「アプリ」と省略されるのが一般的です。

コンピュータの構成におけるミドルウェアの位置

コンピュータの構成において、ミドルウェアがどの位置にあるのかをイメージしやすくするために、構成全体を図で示します。

コンピュータの構成におけるミドルウェアの位置

アプリケーションは、業務や目的に特化した機能を持つソフトウェアです。

一方で、OS(オペレーティングシステム)は、CPUやメモリなどのハードウェアを管理する汎用的な機能を提供しています。

しかし、アプリケーションほど具体的ではなく、OSほど汎用的でもない機能も必要になる場面があります。それを担うのが両者の中間にあるミドルウェアです。OSもミドルウェアと同様にアプリケーションに対して機能を提供しますが、ミドルウェアに比べて汎用的です。

比較項目アプリケーション
(応用ソフトウェア)
ミドルウェア
(中間ソフトウェア)
OS
(基本ソフトウェア)
位置づけユーザーが直接使うソフトOSとアプリケーションの橋渡しを行う仲介役ハードウェアを管理する基盤
主な役割特定の目的を実現(業務やサービスなど)アプリに共通機能を提供(通信・DB操作など)CPU・メモリなどの資源を管理
表計算ソフト(Excel)やプレゼンテーションソフト(PowerPoint)Apache、Tomcat、MySQL、PostgreSQLWindows、Linux、macOS

ミドルウェアの具体例と役割

ミドルウェアは、その役割に応じていくつかの種類に分けられます。ここでは代表的な例と役割を紹介します。

データベース系ミドルウェア

アプリケーションとデータベースのやり取り(保存・検索・更新・トランザクション管理・同時実行制御など)を仲介し、データを効率的かつ安全に管理するミドルウェアです。

このようなデータベース管理用のミドルウェアをDBMS(Database Management System:データベース管理システム)と呼びます。

ミドルウェア名主な特徴
MySQL世界中で使われているオープンソースのDBMS。
PostgreSQL高機能で拡張性の高いオープンソースDBMS。

Webサーバ系ミドルウェア

Webブラウザなどのクライアントから送信されるHTTP/HTTPSリクエストを受け取り、適切なレスポンス返す処理を行うミドルウェアです。主に以下のような機能を担います。

  • SSL/TLS通信の処理や、アクセス制御・認証設定を行う
  • HTMLや画像などの静的コンテンツを配信する
  • リバースプロキシ/ロードバランサとして、アプリケーションサーバ(例:Tomcat、Node.js+Express 等)へリクエストを中継
ミドルウェア名主な用途
Apache HTTP Server世界で最も普及しているオープンソースWebサーバ。
歴史が長く機能が豊富。
Nginx高速・軽量なWebサーバ。

メッセージング系ミドルウェア

複数のシステムやアプリケーション間で、非同期通信を実現するためのミドルウェアです。アプリケーション同士が直接通信せず、メッセージキューを介してデータをやり取りするのが特徴です。

ミドルウェア名主な用途
RabbitMQメッセージキューの送受信や管理を行うオープンソースソフトウェア。
Apache Kafka大量データのリアルタイム処理・分析に強い分散型メッセージングプラットフォーム。

本記事のまとめ

この記事では『ミドルウェア』について説明しました。

ミドルウェアは、OSとアプリケーションの間で動く「橋渡し役」のソフトウェアです。アプリケーションがデータベースと通信したり、Webページを表示したりするための共通機能を提供します。

アプリ開発を支える見えないサポート役として、システムをスムーズに動かすうえで欠かせない存在です。

お読みいただきありがとうございました。

スポンサーリンク