クラウドやITインフラの話をしていると、よく耳にする「マネージドサービス」という言葉。
でも、こんな風に思ったことはありませんか?
- マネージドってそもそもどういう意味?
- マネージドとアンマネージドって、何が違うの?
この記事では、そんな疑問を解消するために、以下の内容をわかりやすく解説します。
- 「マネージド」と「アンマネージド」とは?
- マネージドサービスとは?
- アンマネージドサービスとは?
「マネージド」と「アンマネージド」とは?
「マネージド(managed)」は、英語で「管理された」「運用されている」という意味です。ITの世界では「誰がインフラやシステムを管理・運用するのか」を示す言葉として使われます。
たとえば、サーバーを使ってWebアプリを動かすためには、以下に示すような作業が必要です。
- OSのインストール
- ミドルウェアの設定・更新
- セキュリティパッチの適用
- データのバックアップや障害復旧など…
これらの作業をクラウド事業者(AWSやGoogle Cloudなど)に任せるのか、それとも自分たちで全部やるのか。その「誰が管理・運用するか」の違いがマネージドとアンマネージドを分けるカギになります。
クラウドの事業者が管理や運用をする場合は「マネージド」、自分たちで管理や運用をする場合は「アンマネージド」になります。
マネージドサービスとは?
マネージドサービスは、クラウド事業者(ベンダー)がインフラの管理や運用を代行してくれるサービスです。
従来のオンプレミス(自社管理)では、サーバーの準備からOSの管理、ネットワーク構築など、すべてを自分たちでやらなければなりませんでした。
しかし、マネージドサービスを使えば、それらの面倒な作業はベンダーが引き受けてくれます。そのため、開発者はアプリ開発やビジネスに集中できます。
マネージドサービスの具体例
- Amazon RDS(リレーショナルデータベース)
- サーバーの立ち上げ、バックアップ、障害復旧などをAWSがやってくれる
- AWS Fargate(コンテナ実行環境)
- サーバーを意識せずに、コンテナを実行できる
マネージドサービスのメリットとデメリットを以下に示します。
メリット
- 運用の手間やコストが減る
- OSの管理やバックアップ、パッチ適用などをベンダーが代行してくれるため、手間とコストを削減できる。
- インフラの専門知識が少なくても使える
- ベンダーが多くの運用部分を担ってくれるため、インフラの専門家がいなくてもサービス運用が可能。
- 開発・ビジネスに集中できる
- サーバーやインフラの管理から解放されるため、アプリ開発や業務改善など本来の業務に集中できる。
デメリット
- 柔軟なカスタマイズがしにくい
- ベンダー側の仕様に従う必要があるため、特殊な構成や設定が難しいこともある。
- ベンダー依存になりやすい
- サービスや機能がクラウドベンダーに依存するため、ベンダー変更が難しい。
マネージドサービスの中でも、ほとんどすべての運用や管理をクラウド事業者が担当してくれるのが「フルマネージドサービス」です。
アンマネージドサービスとは?
アンマネージドサービスはその名の通り、マネージドサービスではないサービスです。たとえば、クラウド事業者から最低限のリソース(例えばEC2等の仮想サーバー)だけを借りて、あとはすべて自分たちで管理や運用をします。
例えるなら、クラウドから「空の部屋(仮想サーバー)」を借りて、その中に自分たちで家具(OSやアプリ)を買って設置して、掃除や修理も全部自分たちでやるようなものです。
アンマネージドサービスの具体例
- Amazon EC2
- OSのインストールからセキュリティ設定、バックアップまで自分で実施
アンマネージドサービスのメリットとデメリットを以下に示します。
メリット
- 自由度が高く、独自構成も可能
- OSの種類やミドルウェア、ネットワーク構成などを自由に設計・構築できる。
- 特殊な要件にも対応しやすい
- 古いシステムや業界特有の構成にも柔軟に対応可能。
- コストが抑えられることもある
- 使い方によっては最低限のリソースだけで済むため、運用コストを下げられる。
デメリット
- 管理の手間がかかる
- OSの更新やセキュリティパッチ適用などすべて自分たちで行う必要がある。
- トラブル対応もすべて自分たちで
- 障害やパフォーマンス低下などの問題を自分たちで調査・解決しなければならない。
- 専門知識が求められる
- インフラやセキュリティ、ネットワークの知識がないと適切な運用が難しい。