この記事ではソフトウェア開発で耳にする用語『GM(Golden Master)』について、以下の内容をわかりやすく解説します。
- GM(Golden Master)とは
- ソフトウェア開発のフェーズとGMの位置づけ
- GMの目的
- GMとRTMの違い
GM(Golden Master)とは
GM(Golden Master)とは、ソフトウェア開発において製品がリリースされる直前のバージョンを指します。一般的にバグ修正や仕様変更がほぼ完了している状態です。致命的なバグや仕様変更がない限り、そのまま正式リリースされます。
Golden Masterは一般的には「GM」と略されることが多いです。
ソフトウェア開発のフェーズとGMの位置づけ
ソフトウェア開発では、開発の進捗に応じて複数のフェーズがあります。以下に、代表的なフェーズを示します。
フェーズ | 目的 | 主な特徴 |
---|---|---|
アルファ版 (Alpha) | 開発初期のテスト | 開発チーム内での試験。 バグが多く、不安定なバージョン。 |
ベータ版 (Beta) | ユーザーテスト | 限定テスターや一般ユーザーによるテスト。 フィードバック収集。 |
RC版 (Release Candidate) | 最終確認 | ほぼ完成版だが、修正の可能性あり。 |
FC版 (Final Candidate) | 最終候補 | GM版の直前のバージョン。 リリース直前の品質確認を実施。 |
GM版 (Golden Master) | 最終調整 | ほぼ正式リリース版と同等。 重大な問題がなければそのままリリース。 |
RTM版 (Release To Market) | 公開 | すべてのユーザーが利用可能な正式リリース版。 |
一般的には「RC(Release Candidate)」が「GM(Golden Master)」の前に位置します。プロジェクトによっては、「RC」と「GM」の間に「FC(Final Candidate)」というフェーズを設けることがあります。逆に、「RC」を使わず、「FC」だけを定義するプロジェクトもあります。
GMの目的
GMの主な目的は、最終的な品質保証とリリース前の最終確認を行うことです。具体的には、以下のポイントをチェックします。
- バグの最終確認
- 重大なバグが残っていないかテストを行う。
- クリティカルな問題が見つかった場合は修正し、新しいGMを作成する可能性がある。
- 機能の最終チェック
- 仕様どおりに動作するかを確認する。
- 意図しない動作や不具合が発生していないかを検証する。
- パフォーマンス評価
- 実際の環境で適切に動作するかをテストする。
- 負荷テストやストレステストを行い、安定性を確認する。
- リリース準備
- ビルドが安定しており、そのままリリース可能であることを確認する。
- ドキュメントやリリースノートを作成し、リリース作業に備える。
GMとRTMの違い
GMとよく混同されるのが「RTM(Release To Market)」です。
項目 | GM(Golden Master) | RTM(Release To Market) |
定義 | リリース直前の最終確認用バージョン | GMが承認され、正式リリースされたバージョン |
リリース状況 | まだ正式リリースではない | すべてのユーザーが利用可能 |
変更の可能性 | 問題が見つかれば修正後に新しいGMを作成 | 一般的に変更は行われない |
一般的には、GM版が問題なく承認されると、そのままRTM版としてリリースされることが多いですが、場合によっては追加の検証や修正が行われることもあります。
本記事のまとめ
この記事では『GM(Golden Master)』について、以下の内容を説明しました。
- GM(Golden Master) とは、ソフトウェア開発のリリース直前の最終確認バージョンのこと。
- 重大な問題がなければ、そのまま正式リリース(RTM)となる。
- GM版の目的は、最終的な品質保証とリリース準備を行うこと。
- GMとRTMは異なり、GMはまだリリース前のバージョンである。
お読み頂きありがとうございました。