インターネットやネットワークの勉強をしていると、必ず出てくるのが「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」です。
- 「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」は何が違うの?
- 自宅のWi-Fiや会社のネットワークでは、どっちのIPアドレスを使ってるの?
そんな疑問を持つ方のために、この記事では「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の違いを図を用いてわかりやすく解説します!
IPアドレスとは?
IPアドレスとは、インターネットやローカルネットワーク上でコンピューターを識別するための番号です(例; 192.168.1.19
や10.0.0.1
など)。住所のようなもので、パソコンやスマホが「誰と通信するか」を決めるために使われます。
インターネットの世界では、これがないと通信相手を見つけられません。あなたのスマホやパソコンなど、インターネットに関わる機器はすべてIPアドレスを持っています。
このIPアドレスには、大きく分けて「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の2種類があります。
グローバルIPアドレスとは?
グローバルIPアドレスは、インターネット全体で一意に管理され、世界中で重複しないIPアドレスです。パブリックIPアドレスとも呼ばれています。
グローバルIPアドレスの特徴
- 世界に1つだけの番号(重複不可)
- インターネットに直接つながるときに必要
- ISP(インターネットサービスプロバイダ)から割り当てられる
グローバルIPアドレスは「外線の電話番号」によく例えられます。世界中の誰がかけても間違いなくつながる唯一の番号です。
プライベートIPアドレスとは?
プライベートIPアドレスは、家庭や会社などの組織内ネットワーク(プライベートネットワーク)で使う内部用のIPアドレスです。
例えば、「家のWi-FiにつながったスマホやPC」や「社内LANのパソコンやプリンタ」はすべてプライベートIPアドレスを使って、同じネットワーク内でお互いに通信しています。

上図では、左側が「家庭や会社のネットワーク(プライベートネットワーク)」、右側が「インターネット(世界中のネットワーク)」を表しています。この2つの間に置かれているのが、ルーター(ブロードバンドルーター)です。家庭や会社のネットワークの中にあるパソコンやスマホ、プリンタなどの機器は、すべてプライベートIPアドレスを持っています。このプライベートIPアドレスを使うことで、同じネットワーク内の機器同士(例えばパソコンからプリンタへの印刷指示)などが問題なく通信できるようになっています。
プライベートIPアドレスの特徴
- インターネットには直接つながらない
- 組織内だけで重複しなければOK(世界中で重複しても問題なし)
- 家庭内や社内の機器同士の通信に使う
プライベートIPアドレスは「会社の内線番号」によく例えられます。社内の電話で内線番号が被らなければ、外部の世界とは無関係に社内通話ができます。
ただし、ここで重要な点があります。プライベートIPアドレスのままでは、インターネット上の相手と直接通信できません。なぜかというと、プライベートIPはインターネットの世界では通用しない「内線番号」のようなもので、外線(インターネット)に出るには外線番号(グローバルIPアドレス)が必要だからです。
ここで登場するのがルーター(ブロードバンドルーター)です。ルーターは「プライベートIPアドレス」⇔「グローバルIPアドレス」変換する「NAT(Network Address Translation)」という仕組みを使っています。この仕組みにより、家や会社の端末は、1つのグローバルIPアドレスでインターネットにつながることができています。
プライベートIPアドレスの範囲
プライベートIPアドレスには、使ってよいと決められた特定の範囲があります。あなたのパソコンやスマホのIPアドレスが次の範囲に当てはまっていれば、それは「プライベートIPアドレス」だと判断できます。
クラス | 範囲 |
---|---|
クラスA | 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255 |
クラスB | 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255 |
クラスC | 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255 |
一般家庭では、特にクラスC(192.168.x.x)がよく使われます。
プライベートIPアドレスが必要な理由
そもそも、なぜ「プライベートIPアドレス」という仕組みができたのでしょうか?それは、IPv4のIPアドレスが足りなくなった(IPアドレス枯渇問題)からです。
IPアドレスは、インターネット上の住所のようなもので、世界中で重複しない一意の番号が必要です。ですが、IPv4では約43億個しかアドレスが用意されていません。全世界のスマホ・パソコン・サーバーなど、すべてに一意のアドレスを割り当てていたら、とっくに足りなくなっています。
そこで、次のような考え方が導入されました。
- すべての端末が直接インターネットにつながる必要はない。
- 家庭や会社の内部では、専用のプライベートIPアドレスを使う。
- インターネットと通信するのはルーターが代表して行う(グローバルIPアドレスを使う)。
世界中で重複しないように割り当てる必要があるグローバルIPアドレスとは違い、プライベートIPアドレスは組織内(プライベートネットワーク)の中で重複しなければ問題ありません。たとえば、下図では「プライベートネットワークA」と「プライベートネットワークB」のコンピュータに同じプライベートIPアドレスが付与されていますが、プライベートネットワークが異なるため互いに干渉することはありません。同じプライベートIPアドレスでも問題ないのです。

「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」を確認する方法
Windowsで自分のIPアドレスを調べたいときは、コマンドプロンプトを開いてipconfig
と入力すれば確認できます。ルーター(ブロードバンドルーター)などを通してインターネットに接続している場合、表示されるIPアドレスはほとんどがプライベートIPアドレスです。ただし、ルータを介さず直接インターネットにつながっている場合は、グローバルIPアドレスが表示されます。

また、自身が利用しているパソコンからインターネット接続する為のグローバルIPアドレスは次のようなサイトで簡単に確認できます。
本記事のまとめ
この記事では「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」について、以下の内容を説明しました。
- IPアドレスとは?
- インターネットやローカルネットワーク上で機器を識別する番号
- 例:
192.168.1.19
、10.0.0.1
- IPアドレスの種類
- グローバルIPアドレス(パブリックIPアドレス)
- プライベートIPアドレス
- グローバルIPアドレスとは?
- インターネット全体で一意に管理される
- ISP(プロバイダ)から割り当てられる
- 直接インターネットにつながる用(外線の電話番号のイメージ)
- プライベートIPアドレスとは?
- 家庭・会社などの内部ネットワークで使用
- インターネットには直接つながらない
- 同じネットワーク内の通信に使用(内線番号のイメージ)
- ルーターの役割
- NAT(Network Address Translation)を使って、プライベートIP ⇔ グローバルIP を変換
- 家庭内・社内の機器はルーターを通じてインターネットと通信
- プライベートIPアドレスの範囲
- クラスA:10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
- クラスB:172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
- クラスC:192.168.0.0 ~ 192.168.255.255
- なぜプライベートIPアドレスが必要?
- IPv4のIPアドレスが不足している(約43億個しかない)
- 内部はプライベートIPで運用し、外部はルーターが代表する
- IPアドレスの確認方法
- Windows:コマンドプロンプトで
ipconfig
を実行する - グローバルIPアドレス:専用の確認サイトで確認する(例:CMAN、What Is My IP Addressなど)
- Windows:コマンドプロンプトで
お読み頂きありがとうございました。