アプリの動作やコンピューターの仕組みを説明する際によく登場する言葉に、「フォアグラウンド」や「バックグラウンド」があります。
でも、
- フォアグラウンドってどういう意味?
- バックグラウンドとの違いは何?
といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
この記事では、「フォアグラウンド」や「バックグラウンド」の意味や違いについて、図を用いてわかりやすく解説します。
フォアグラウンドとは?

フォアグラウンド(foreground)とは、「ユーザーに見えるところで動いているアプリや処理」または「一番手前のウィンドウ」のことを意味しています。
たとえば、スマートフォンでブラウザを開いていれば、そのブラウザがフォアグラウンドになります。
「foreground」は英語で「前景」や「手前」という意味があります。
フォアグラウンドの特徴
- 画面に表示されていて、操作中のウィンドウ
- キーボードやマウス、タップ操作が届く対象
- 入力や反応がすぐに返ってくる
フォアグラウンドの例
- パソコンでWordを開いて文章を書いているとき
- → Wordがフォアグラウンドで動作している
- スマホでLINEを開いてチャットしている
- → LINEがフォアグラウンドで動作している
プログラムやアプリ開発の世界では、「フォアグラウンドで動くアプリ」は、基本的にユーザー体験が最重要視される処理になります。そのため、反応速度やインターフェースの使いやすさが求められます。
バックグラウンドとは?

バックグラウンド(background)は、フォアグラウンド(foreground)と反対の概念です。
バックグラウンド(background)とは、「ユーザーに見えない裏で動いているアプリや処理」または「一番手前にないウィンドウ」のことを意味しています。
たとえば、音楽アプリを再生したままホーム画面に戻った場合、その音楽アプリはバックグラウンドで動いています。
「background」は英語で「背景」や「奥の方」という意味があります。
バックグラウンドの特徴
- ユーザーの操作がなくても自動で動く
- 通知やデータ処理を静かに行う
- 省電力や動作制限が加えられることがある
バックグラウンドの例
- 音楽再生アプリを閉じても音が流れている
- → 音楽アプリがバックグラウンドで動作している
- スマホのメールアプリが新着メールを自動取得している
- → メールアプリがバックグラウンドで動作している
- LINEを開いていなくても、メッセージを受信したら通知が来る。
- → LINEアプリがバックグラウンドで動作している
バックグラウンド処理はリソース管理や電力消費への配慮が必要です。スマホでは、OS(iOSやAndroid)がバッテリー節約のために、バックグラウンド動作に制限がかけることができます。
PCの場合、タスクマネージャー(Windows)やアクティビティモニタ(Mac)を開けば、どんなアプリがバックグラウンドで動いているか確認することができます。
フォアグラウンドとバックグラウンドの違い
フォアグラウンドとバックグラウンドの違いを、「ユーザーに見えているか」と「ウィンドウの位置」という2つの視点で整理すると、より分かりやすくなります。以下に違いを表でまとめました。
フォアグラウンド | バックグラウンド | |
ユーザーに見えているか | ユーザーに見えるところで動いている | ユーザーに見えない裏で動いている |
ウィンドウの位置 | 一番手前にあるウィンドウ | 一番手前にないウィンドウ、または画面に出ていないウィンドウ |
主な用途 | ユーザーの入力に即反応する処理 | 通知、更新、音楽再生などの継続処理 |
例 | LINEを開いて操作、Excelで入力作業 | 音楽再生、メールの自動受信、ウイルススキャン |
スマホの場合、画面に表示されているアプリは「フォアグラウンドアプリ」、切り替えた後も動いているアプリは「バックグラウンドアプリ」と呼ばれています。
PCの場合、一番手前にあるウィンドウは「フォアグラウンドウィンドウ」、一番手前にないウィンドウは「バックグラウンドウィンドウ」と呼ばれています。
また、フォアグラウンドで動いているプログラムのことを「フォアグラウンドプロセス」と呼ぶことがあります。あまり日常的には使われない言い方ですが、「バックグラウンドプロセス(裏で動いている処理)」という言葉と対比させたいときに出てくることがあります。
本記事のまとめ
この記事では、「フォアグラウンド」や「バックグラウンド」の意味や違いについて、説明しました。
「フォアグラウンド」と「バックグラウンド」は、スマホやパソコンを使っていると何気なく関わっている仕組みですが、その意味や違いを知っておくと、アプリの動作やバッテリー消費、通知の仕組みなどもぐっと理解しやすくなります。
特にスマホでは、バックグラウンドで動いているアプリが多いとバッテリーが減りやすくなるため、設定画面などでアプリの動作状況を確認しておくのもおすすめです。
お読み頂きありがとうございました。