会社では、顧客情報、売上情報、商品情報、従業員情報など、さまざまなデータを扱っています。
しかし、データの管理ルールが決まっていないと、次のような問題が起こります。
- どのデータが正しいのか分からない
- 誰がデータを変更したのか分からない
- 同じ顧客なのに、部署によって登録されている住所が違う
- 本来見てはいけない人が個人情報を閲覧できる
- 古いデータや間違ったデータが残る
このような問題を防ぐために必要なのがデータガバナンスです。
データガバナンスとは
データガバナンスとは、企業や組織が保有するデータについて、管理方法や利用ルール、責任者などを決め、適切に運用することです。
英語では「Data Governance」と書きます。「Governance」には、統治や管理といった意味があります。そのため、データガバナンスは直訳すると「データの統治」となります。
「統治」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、分かりやすくいうと、次のような意味です。
データを誰が、どのように管理し、誰が利用できるのかを決めること
例えば、会社が顧客情報を管理している場合、次のようなルールを決めます。
- 誰が顧客情報を登録できるのか
- 誰が顧客情報を変更できるのか
- 誰が顧客情報を閲覧できるのか
- 顧客情報をどのような形式で登録するのか
- 顧客情報を保存する期間はどれくらいか
- 登録された顧客情報に対して、間違いを発見したときの修正はどのようにするのか
- 不要になった顧客情報の削除はどのようにするのか
- 情報漏えいが起きたときの対応はどのようにするのか
このように、データを扱うためのルールや責任を明確にすることが、データガバナンスです。
データガバナンスを身近な例で考えてみよう
データガバナンスを、学校の図書室に例えてみます。
図書室には、たくさんの本があります。しかし、何のルールもなく本を管理すると、次のような問題が起こります。
- 本がどこにあるのか分からない
- 同じ本が何冊あるのか分からない
- 誰が借りているのか分からない
- 勝手に本が持ち出される
- 古くなった本が放置される
- 本の情報が間違って登録される
そこで図書室では、次のようなルールを決めます。
- 本を分類して決まった場所に置く
- 本ごとに管理番号を付ける
- 貸し出すときは記録する
- 返却期限を決める
- 本の登録や廃棄は担当者が行う
これにより、本を正しく、安全に管理できます。
データガバナンスが必要な理由
データガバナンスが必要な主な理由は、次の3つです。
- データを正しく使うため
- 間違ったデータを使うと、売上分析や経営判断も間違ってしまいます。
- 情報漏えいを防ぐため
- アクセスできる人を制限することで、個人情報や機密情報を守りやすくなります。
- 業務を効率化するため
- データの保存場所や管理ルールを統一すると、必要な情報を探しやすくなります。
「データガバナンス」と「データマネジメント」の違い
データガバナンスと似た言葉に、データマネジメントがあります。
どちらもデータ管理に関係する言葉ですが、意味は少し異なります。簡単に整理すると、次のようになります。
- データガバナンス:データ管理の方針、ルール、責任を決めること
- データマネジメント:決められた方針やルールに沿って、実際にデータを管理すること
データガバナンスが「ルール作り」で、データマネジメントが「ルールに沿った実際の管理」と考えると分かりやすいでしょう。
まとめ
データガバナンスとは、次のような仕組みです。
データを、正しく、安全に、ルールを決めて管理する仕組み
具体的には、次のような内容を決めます。
- 誰がデータに責任を持つのか
- 誰がデータを利用できるのか
- どのような形式で登録するのか
- どのデータを正式な情報とするのか
- いつまで保存するのか
- 問題が起きたときにどう対応するのか
お読みいただきありがとうございました。