開発中に「APIのレスポンスを自由に変更できたら便利なのに…」と思ったことはありませんか?
例えば、こんな場面です。
- APIの返すデータを一時的に変更して動作確認したい
- バックエンドの開発がまだ完了していないけれど、フロントエンドの開発を進めたい
そんなときに役立つのが、Google ChromeのDevTools(デベロッパーツール)の「オーバーライド機能」です。この機能を使えば、APIのレスポンスを自由に変更し、フロントエンドの開発やデバッグをスムーズに進めることができます。
この記事では「APIレスポンスをオーバーライドする方法」と「オーバーライドしたAPIレスポンスを停止する方法」について図を用いて詳しく解説します。
APIレスポンスをオーバーライドする方法
デベロッパーツールの[Network]タブを開く
まず、Google Chromeのデベロッパーツール(DevTools)を開きます。Windowsの場合はF12、Macの場合はCmd + Option + Iを押すと、Google Chromeのデベロッパーツールが開きます。デベロッパーツールが開いたら、[Network]タブを選択します。
![デベロッパーツールの[Network]タブを開く](https://it-infomation.com/wp-content/uploads/2025/03/e1d39c26437426b7ecded3890666bb95.png)
今回は一例として、APIレスポンスで取得したデータを、WebページのHTML要素内に動的に表示させています。そのため、これから実行するAPIレスポンスのオーバーライドによって、Webページに表示される内容も変化します。
オーバーライドしたいAPIリクエストを選択する
オーバーライドしたいAPIリクエストを右クリックして、「Override content」を選択します。

補足
- フィルタ機能を使うと目的のリクエストを探しやすくなります。
XHR
やFetch/XHR
を選択すると、APIリクエストだけを表示できます。
保存先フォルダを選択する
初めてオーバーライド機能を使う場合、オーバーライド用のフォルダを選択する必要があります。画面上部に表示されている「Select folder」をクリックします。

フォルダ選択ダイアログが開くので、任意のフォルダを選択します。

フォルダアクセスに関する確認が出るので許可します。

APIレスポンスを編集する
[Sources]タブの「Overrides」に先ほど選択したフォルダが追加されます。そのフォルダ内に、オーバーライドするAPIレスポンスのファイルが表示されます。

オーバーライドするAPIリクエストのファイルを編集すると、APIレスポンスをオーバーライドすることができます。DevTools上でも編集が可能ですが、お好みのエディタ(例: VSCode)を用いて編集することもできます(今回はDevtools上で編集しました)。

APIリクエストを再送信する
ブラウザをリロードして再度APIリクエストを送信すると、オーバーライドしたAPIレスポンスが返ってくることが確認できます。

補足
[Network]タブを見ると、オーバーライドされたAPIレスポンスは上書きされた目印として紫色のツールチップが表示されます。

オーバーライドしたAPIレスポンスを停止する方法

オーバーライドしたAPIレスポンスを停止する方法は2つあります。
- 一時的に停止する
- [Sources]タブの「Overrides」から「Enable Local Override」のチェックを外す。
- これで一時的にオーバーライドが停止され、元のレスポンスが返る。
- 完全に停止する
- [Sources] > [Overrides] でオーバーライドファイルを削除する。
- または、ファイルの横にある 🚫アイコン(削除ボタン) をクリックする。
- これでオーバーライド設定が完全に停止されます。
【補足】レスポンスヘッダーもオーバーライドが可能です
APIレスポンスのデータを変更する場合には「Override content」を選択しましたが、「Override header」を選択することでレスポンスヘッダーも同様の手順でオーバーライドすることができます。「CORSの設定を変更して特定のリクエストを許可したい場合」や「キャッシュや認証関連のヘッダーを変更して挙動を確かめたい場合」に便利な機能です。
本記事のまとめ
この記事では『デベロッパーツールでAPIレスポンスをオーバーライドする方法』について、以下の内容を説明しました。
Google ChromeのDevToolsを活用することで、APIレスポンスを自由に変更し、フロントエンド開発やデバッグをスムーズに進めることができます。特に、バックエンドが未完成の段階でフロントエンドの開発を進めたり、特定のレスポンスを想定した動作確認を行いたい場合に便利です。
お読み頂きありがとうございました。