コンピュータを使っていると、『マウント』という用語を耳にしたことがあるかもしれません。この用語は特にLinuxの操作やシステム管理の場面でよく使われます。
この記事では『マウント』について、以下の内容をわかりやすく解説します。
- マウントとは
- OSごとのマウントの違い
- マウント対象のデバイス
マウントとは
IT分野での「マウント」とは、コンピュータに接続した機器やメディアをオペレーティングシステム(OS)などのソフトウェアに認識させ、操作や利用ができる状態にすることを意味します。
例えば、USBメモリ、ハードディスク(HDD)、SSDなどのストレージ(外部記憶装置)をコンピュータに挿したときに、その中のデータにアクセスできるのは「マウント」のおかげです。
一方、接続している機器をソフトウェアの管理下から切り離したり、通電を終了するなどして安全に取り外しできる状態にすることを「アンマウント」や「ディスマウント」と言います。
- マウント
- コンピュータに接続した機器を認識させて使える状態にすること
- 例:USBメモリをコンピュータで読み書きできる状態にする。
- アンマウント(ディスマウント)
- 接続している機器をコンピュータから安全に取り外せる状態にすること
- 例:データ破損を防ぐために、USBメモリを取り外す前にアンマウントを行う。
OSごとのマウントの違い
Windows
Windowsではマウントのプロセスがほとんど自動化されています。たとえば、USBメモリや外部ストレージをコンピュータに接続すると、自動的に認識され、エクスプローラーに「Dドライブ」や「Eドライブ」として表示されます。そのため、特に意識してマウントを行う必要はありません。
Linux
Linuxでは、USBメモリや外部ストレージをコンピュータに接続しても自動的には利用できないことが一般的です(ただし、Ubuntuなど一部のディストリビューションでは自動マウントが設定されています)。そのため、明示的にコマンドを使ったり、設定ファイルを編集したりしてマウントを行う必要があります。
たとえば、USBメモリ(デバイス名: /dev/sdb1
)を/mnt/usb
にマウントするには、以下のコマンドを実行します。
sudo mount /dev/sdb1 /mnt/usb
macOS
macOSはLinuxと同じUnix系のOSですが、Windowsと同様にマウントプロセスが自動化されています。USBメモリや外部ストレージをコンピュータに接続すると、自動的に認識され、Finderに表示されます。
マウント対象のデバイス
以下のような機器やメディアがマウントの対象となります。
- 外部ストレージ
- USBメモリ、外付けHDD、SSDなど
- 記録メディア
- DVD、Blu-ray、SDカードなど
- ネットワークストレージ
- NAS(ネットワーク接続ストレージ)や一部のクラウドストレージ(例: Google Driveを仮想ドライブとして利用する場合)など
- 仮想デバイス
- ISOファイル(ディスクイメージ)や仮想マシンのストレージディスクなど
本記事のまとめ
この記事では『マウント』について、以下の内容を説明しました。
- マウントとは
- OSごとのマウントの違い
- マウント対象のデバイス
お読み頂きありがとうございました。