Redux DevToolsは状態管理を行うアプリケーションのデバッグを助けるブラウザの拡張機能です。
Redux DevToolsを用いると、「Redux」や「NgRx」のようなReduxベースの状態管理を用いるアプリケーションにおいて、状態の変化やそれを引き起こしたアクションをリアルタイムで観察することができます。
この記事では、本番環境でRedux DevToolsを無効化する方法を説明します。
本番環境でRedux DevToolsを無効化する方法
Redux DevToolsは開発中に使用すると便利ですが、本番環境(production環境)ではセキュリティやパフォーマンスの観点から無効化することが推奨されます。
Redux ToolkitのconfigureStore
メソッドには、devTools
というオプションがあります。devTools
にboolean
値を指定することで、Redux DevToolsの有効・無効を制御できます。具体的には以下のように設定します。
import { configureStore } from '@reduxjs/toolkit';
const store = configureStore({
reducer: {
//your reducers
},
devTools: process.env.NODE_ENV !== 'production', // 本番環境ではRedux Toolkitを無効化
});
このコードでは、process.env.NODE_ENV
がproduction
のときにdevTools
オプションがfalse
に設定されるため、本番環境(production環境)では自動的にRedux DevToolsが無効化されます。なお、create-react-app
などのビルドツールを使用している場合、本番ビルド時にNODE_ENV
が自動的にproduction
に設定されるため、追加の設定は不要です。
devToolsオプションの使い方
devTools
オプションには以下のような設定が可能です。
true
やfalse
を指定して、DevToolsの有効/無効を切り替える。- オブジェクトを渡すと、DevToolsが有効化され、指定したオプションが
composeWithDevTools()
に渡される。 - なお、
devTools
オプションのデフォルトはtrue
である。
今回は、process.env.NODE_ENV
がproduction
の場合にdevTools
オプションをfalse
に設定することで、本番環境でRedux DevToolsを無効化しています。
本番環境でRedux DevToolsを無効化する理由
本番環境でRedux DevToolsを無効化する理由を以下に示します。
- パフォーマンスの向上
- Redux DevToolsを使用すると、状態の履歴がメモリに保持されるため、メモリ使用量が増加します。したがって、パフォーマンスを維持するために本番環境ではRedux DevToolsの無効化が望ましいです。
- セキュリティリスクの低減
- 本番環境では、ユーザーがアプリケーションの状態を不要に閲覧・操作しないように、Redux DevToolsの無効化が望ましいです。
本記事のまとめ
この記事では、本番環境でRedux DevToolsを無効化する方法について、以下の内容を説明しました。
- Redux DevToolsを無効化する方法
configureStore
のdevTools
オプションにprocess.env.NODE_ENV !== 'production'
を設定する。- 本番環境(
NODE_ENV=production
)で自動的にRedux DevToolsが無効化される。
- 本番環境でRedux DevToolsを無効化する理由
- パフォーマンス向上: 状態の履歴保存によるメモリ使用量増加を防ぐため。
- セキュリティ向上: ユーザーが状態を不正に操作するリスクを低減するため。
お読み頂きありがとうございました。