この記事では、ソフトウェアの開発でよく耳にする『デグレ(デグレード)』について、以下の内容を分かりやすく解説します。
- デグレとは
- デグレの具体例
デグレとは
デグレ(デグレード)は、主にIT分野で使われる用語で、システムやソフトウェアの変更や修正を行った結果、これまで正常に動作していた部分が動かなくなったり、性能が悪化することを指します。
デグレは英語の「degrade」(品質が低下する)の略語です。デグレのことをデグレーション(degradation)やデグレッションと呼ぶこともあります。
日本のIT業界では「デグレ」という表現が一般的ですが、英語圏では同様の現象を「リグレッション(Regression)」と呼びます。リグレッションは「後退」や「退行」を意味し、修正や改善が原因でかえって品質が悪化する現象です。デグレとリグレッションは本質的に同じ意味を持つ用語ですが、日本と英語圏での呼び方が異なります。
デグレの具体例
デグレが発生する具体的な例を3つ挙げて説明します。
- 既存機能の不具合再発
- 新しい機能を追加したり、バグを修正することで、過去に解決した問題が再び発生することがあります。
- 例えば、あるECサイトで商品検索機能のバグを以前に修正しました。しかし、その後、絞り込み検索のフィルター機能を追加した際、過去に修正済みだった商品検索機能のバグが再発しました。これは、新しいフィルター機能が既存の商品検索機能に予期しない影響を与えたことによるデグレの例です。
- 新機能が原因で他の機能が不安定になる
- 新しい機能の追加が、意図せず他の機能に影響を与えることがあります。
- 例えば、ショッピングサイトに新しい決済機能を導入したところ、既存のカート機能が正常に動作しなくなることがありました。具体的には、カートに商品を追加したにもかかわらず、カートが空のままになるという不具合が発生しました。これは、新しい決済機能が既存のカート機能に予期しない影響を与えたことによるデグレの例です。
- データの消失や不整合
- データベースの変更やシステムの更新に伴い、データが意図せず消失したり、整合性が崩れてしまうことがあります。
- 例えば、企業の顧客情報を管理するシステムでデータベーススキーマを変更し、新しい項目(例:購買履歴)を追加しました。しかしその結果、過去の顧客情報の一部が新しいスキーマに対応できず失われてしまったという不具合が発生しました。これは、新しいスキーマが古いデータとの互換性を欠いていたために発生したデグレの例です。
本記事のまとめ
この記事では『デグレ(デグレード)』について、以下の内容を説明しました。
- デグレとは
- デグレの具体例
お読み頂きありがとうございました。