event.currentTarget.blur()
は、現在のイベントハンドラが関連付けられている要素のフォーカスを外すメソッドです。
この記事ではJavaScriptの『event.currentTarget.blur()』について、以下の内容をサンプルコードを用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
event.currentTarget.blur()
とはevent.currentTarget
とはevent.currentTarget.blur()
の使い方
event.currentTarget.blur()とは
event.currentTarget.blur()
は、JavaScriptにおけるイベント処理の中で、現在のイベントハンドラが関連付けられている要素event.currentTarget
のフォーカスを外すために使用されます。このメソッドは、ボタンやフォーム要素がクリックされた後にフォーカスを自動的に解除し、誤った操作を防ぐのに役立ちます。
blurメソッドとは
blur
メソッドは、要素にフォーカスがある状態からそのフォーカスを解除するために使われます。通常、<input>
や<button>
などのフォーム要素に適用されます。
event.currentTargetとは
event.currentTarget
は、現在のイベントハンドラが関連付けられている要素を指します。これはイベントが発生した要素(event.target
)と異なることがあります。たとえば、親要素にイベントハンドラがバインドされていて、子要素でイベントが発生した場合、event.currentTarget
は親要素を指し、event.target
は子要素を指します。
以下のHTMLでは子要素(<button>
要素)でイベントが発生していますが、イベントハンドラが親要素(<div>
要素)に関連づけられているので、子要素(<button>
要素)をクリックした場合、event.target
は子要素(<button>
要素)になりますが、event.currentTarget
は親要素(<div>
要素)になります。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>event.targetとevent.currentTargetの違い</title>
</head>
<body>
<div id="parentDiv">
<button>クリックしてください</button>
</div>
<script>
const parentDiv = document.getElementById('parentDiv');
parentDiv.addEventListener('click', function(event) {
console.log('event.target:', event.target); // クリックされた要素(button)
console.log('event.currentTarget:', event.currentTarget); // イベントハンドラがバインドされた要素(div)
});
</script>
</body>
</html>
event.currentTarget.blur()の使い方
以下は、ボタンをクリックするとevent.currentTarget.blur()
が呼び出され、自動的にフォーカスが外れるサンプルコードです。クリック後に、ボタンの背景色が白に戻り、フォーカスが解除されたことを視覚的に確認できます。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0" />
<title>event.currentTarget.blurのサンプル</title>
<style>
/* フォーカス時のスタイル */
button:focus {
background-color: lightblue; /* 水色 */
border: 2px solid blue;
}
/* 通常時のスタイル */
button {
background-color: white;
border: 2px solid black;
}
</style>
</head>
<body>
<button id="blurButton">クリックしてフォーカスを外す</button>
<script>
const button = document.getElementById('blurButton');
button.addEventListener('click', function (event) {
// フォーカスを外す
event.currentTarget.blur();
});
button.addEventListener('focus', function () {
console.log('ボタンがフォーカスされました');
});
button.addEventListener('blur', function () {
console.log('フォーカスが外れました');
});
</script>
</body>
</html>
サンプルコードの解説
- HTML
<button>
要素でボタンを作成しています。このボタンは、ユーザーがクリックすることでフォーカスされます。
- CSS
- フォーカス時に背景色が水色に変わり、枠線が青色になります。フォーカスが外れると元の白色に戻ります。
- JavaScript
- クリックされた瞬間に
event.currentTarget.blur()
が呼び出され、フォーカスが解除されます。 - ボタンがフォーカスされたときに、コンソールに「ボタンがフォーカスされました」と表示されます。
- フォーカスが外れた際に、コンソールに「フォーカスが外れました」と表示されます。
- クリックされた瞬間に
- ユーザーがボタンをクリックします。
- クリックされたボタンにフォーカスが当たり、
focus
イベントが発生してコンソールに「ボタンがフォーカスされました」と表示され、背景色が水色に変わります。 - その後、
event.currentTarget.blur()
が呼び出され、ボタンのフォーカスが即座に外れ、背景色が白に戻り、コンソールに「フォーカスが外れました」と表示されます。 - 上記のサンプルコードから
event.currentTarget.blur()
を削除したりコメントアウトしたりすると、ボタンをクリックしても背景色が水色(lightblue
)のままになります。
event.currentTarget.blur()を使う理由
特定の状況では、ボタンやフォーム要素がクリックされた後にフォーカスが残ると、誤操作が発生する可能性があります。具体的な例を以下に示します。
具体的な例
- フォーム送信ボタン
- あるフォームの「送信」ボタンをクリックしたとします。通常、この操作でフォームは送信されますが、ボタンにフォーカスが残る場合、キーボードのスペースキーやエンターキーを押すと再度ボタンがアクティブになり、もう一度フォームが送信されてしまうことがあります。このような誤操作を防ぐために、
event.currentTarget.blur()
でフォーカスを解除すると、誤って再送信されることを防ぐことができます。
- あるフォームの「送信」ボタンをクリックしたとします。通常、この操作でフォームは送信されますが、ボタンにフォーカスが残る場合、キーボードのスペースキーやエンターキーを押すと再度ボタンがアクティブになり、もう一度フォームが送信されてしまうことがあります。このような誤操作を防ぐために、
- モーダルウィンドウの閉じるボタン
- モーダルウィンドウで「閉じる」ボタンをクリックした後、そのボタンにフォーカスが残ると、ユーザーがキーボードで何か操作しようとしたときに、再度モーダルが不必要に操作される場合があります。
event.currentTarget.blur()
でフォーカスを解除することで、モーダルが閉じた後の次のアクションを意図せずにトリガーすることがなくなります。
- モーダルウィンドウで「閉じる」ボタンをクリックした後、そのボタンにフォーカスが残ると、ユーザーがキーボードで何か操作しようとしたときに、再度モーダルが不必要に操作される場合があります。
本記事のまとめ
この記事では『event.currentTarget.blur()』について、以下の内容を説明しました。
event.currentTarget.blur()
とはevent.currentTarget
とはevent.currentTarget.blur()
の使い方
お読み頂きありがとうございました。