AWSでユーザーやロールに権限を付与するときに使うのがIAMポリシーです。しかしIAMポリシーには次の3種類があり、「どれを使えばいいの?」と迷ってしまう人が多いはずです。
- AWS管理ポリシー(AWS managed policy)
- カスタマー管理ポリシー(Customer managed policy)
- インラインポリシー(Inline policy)
この記事では、各ポリシーの特徴・メリット・デメリット、どの場面で使うべきかをわかりやすく解説します。
AWS管理ポリシーとカスタマー管理ポリシーとインラインポリシーの「違い」
AWS管理ポリシーとカスタマー管理ポリシーとインラインポリシーの「違い」を以下の表にまとめます。
| 種類 | 作成者 | 再利用 | バージョン管理 | 管理コスト |
| AWS管理ポリシー | AWS | できる | なし(AWSが自動更新) | 最小 |
| カスタマー管理ポリシー | ユーザー | できる | できる | 中 |
| インラインポリシー | ユーザー | できない | できない | 中〜高 |
AWS管理ポリシーとカスタマー管理ポリシーは再利用できるため、複数のユーザー・グループ・ロールで同じ権限を共有することができます。しかし、インラインポリシーは単一のユーザー・グループ・ロールのみに適用させるため、再利用することができません。
それぞれのポリシーの使い分けは以下のように行います。
- AWS管理ポリシー(AWS managed policy)
- まず使うべきはポリシーはこれ。
- AWSがベストプラクティスでアップデートしてくれるため、安全性も高い。
- 一般的な権限を簡単に付与したい場合には最適なポリシーです。
- カスタマー管理ポリシー(Customer managed policy)
- 組織の「最小権限ポリシー」を作りたいとき。
- インラインポリシー(Inline policy)
- 特別な権限を「このロールだけ」に付けたいとき。
- 利用できないので、誤って他のユーザーやロールにアタッチしてしまうことを防げる。
ではこれから、各ポリシーの特徴・メリット・デメリットについて解説します。
AWS管理ポリシー(AWS Managed Policy)
AWS管理ポリシーはAWSが公式で提供しているポリシーです。複数のユーザーやロールにアタッチできます。「簡単にアクセス権限を付けたいとき」や「権限の管理コストを下げたいとき」に使用します。
AWS管理ポリシーにはオレンジ色のAWSアイコンが付いています。

AWS管理ポリシーには次のようなものがあります。
- AdministratorAccess
- AmazonS3ReadOnlyAccess
- AmazonEC2FullAccess
- AWSLambdaBasicExecutionRole
AWS管理ポリシーの特徴・メリット・デメリットを以下に示します。
特徴
- AWSが自動でアップデートしてくれる
- AWSのベストプラクティスが反映されている
メリット
- 初心者でも安全に使える
- サービスごとに最適な権限が簡単につけられる
- メンテ不要
デメリット
- ユーザーが編集できないため、細かいカスタマイズはできない
- 「権限が必要以上に広い」ケースもある
カスタマー管理ポリシー(Customer Managed Policy)
カスタマー管理ポリシーはユーザーが独自に作成して管理するポリシーです。再利用可能で、複数のユーザーやロールにアタッチできます。「組織独自のポリシーを統一管理したいとき」、「同じ権限セットを複数ロールで共通利用したいとき」、「セキュリティを強めたい(最小権限)」に使用します。
カスタマー管理ポリシーの特徴・メリット・デメリットを以下に示します。
特徴
- JSON形式で自由にポリシーを作れる
- 変更すると、アタッチしているユーザーやロールに一括反映される
- バージョン管理あり
メリット
- 組織に最適化した「最小権限ポリシー」を作れる
- 作成したポリシーは複数のユーザーやロールにアタッチできる
- 特定の動作に必要な能力だけを与えられる
デメリット
- メンテナンスが必要
- JSON記述が少し難しい
インラインポリシー(Inline Policy)
インラインポリシー(Inline policy)はユーザー、ロール、グループに「直接」埋め込むポリシーです。そのエンティティ(ユーザー / ロール)専用のポリシーとなります。「単一ロール専用の特別な権限を設定したいとき」や「他ロールへ誤付与を防ぎたいとき」に使用します。
インラインポリシーの特徴・メリット・デメリットを以下に示します。
特徴
- そのエンティティに紐づき「使い回しは不可」
- エンティティを削除するとポリシーも消える
- 再利用不可、バージョン管理なし
メリット
- 「このロールだけは絶対この権限!」という用途に最適
- 誤って他のユーザーやロールにアタッチしてしまうことを防げる
デメリット
- メンテが面倒
- 内容を変更しても他のユーザーには共有されない
本記事のまとめ
この記事では「AWS管理ポリシー」と「カスタマー管理ポリシー」と「インラインポリシー」の違いについて説明しました。
AWSの権限設計はセキュリティにも直結する重要なポイントです。迷ったときは「AWS管理ポリシー → 必要があればカスタマー管理ポリシー → どうしても特定ロール専用ならインライン」という順番で選ぶと失敗しません。
お読みいただきありがとうございました。